こんにちは。三鷹ピースデンタルクリニックです。

みなさんは「むし歯菌は親から子にうつる」という話をご存知ですか？
通院されているお子さんの保護者さんからも、同様の質問を受けることがあります。
今回は「むし歯は伝染するのか？」についてお話ししたいと思います。

「むし歯は伝染する」というのは本当

むし歯は、むし歯を引き起こす力の強い「ミュータンス菌」と呼ばれる「むし歯菌」などが原因の感染症です。
母子を対象にした研究では「親子から検出されるむし歯菌のタイプが共通している」という報告があり、研究結果などから「むし歯菌は親から子へうつる」と、科学的根拠をもって結論付けされています。

「むし歯菌」について

むし歯菌は、むし歯になった人すべてが持っています。むし歯菌にはいろいろなタイプがありますが、ミュータンス菌という細菌は「砂糖」をエサにして、歯垢のもととなるネバネバした物質をつくり、歯に強くくっつく性質があります。さらに歯を溶かす「酸」もつくるので、他の菌に比べてむし歯を引き起こす力が強いとされています。

特に注意したい「感染の窓」

生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、むし歯菌はいません。赤ちゃんは大きくなるにつれて少しずつ菌に慣れ、お口の中に健康を保つための良い常在菌を増やしていきます。しかし、ご家族など周囲の大人が赤ちゃんとスキンシップをとったり、生活をするなかで唾液を介し、むし歯菌がうつってしまいます。ミュータンス菌のすみかは「歯」なので、歯がはえてくる時期がもっとも注意が必要です。

感染しやすい時期

乳歯は生後6カ月ころから生え始め、むし歯菌に感染しやすいのは、奥歯（臼歯）が生えそろう頃といわれています。これが「感染の窓」と呼ばれる、1歳7カ月から2歳7カ月頃です。この窓が開いているこの期間は特に注意が必要です。

子どもにむし歯菌をうつさないために

赤ちゃんへむし歯菌が感染する大部分の原因は、スキンシップや生活のなかでご両親の唾液を介してしまうことが原因です。
しかし、スキンシップはお子さんの発育に非常に大切なことです。そのためご家族や周囲の方々の口腔内環境を整えるなどの対策で感染リスクを下げるように努めましょう。
歯科医院で必要な箇所の治療、さらに歯についた汚れ（歯石、プラーク）の機械的除去を行い、正しい歯みがきを心掛け、フッ素入り洗口剤の使用や継続的なキシリトールの摂取などが効果的です。

妊産婦歯科を行なっています

妊娠中はホルモンバランスの変化や唾液の分泌量の減少により、歯周病になりやすい状態です。
大切な赤ちゃんにむし歯をうつしてしまわないように、また、ご自身の歯のためにも体調と相談しながら定期検診に来てくださいね。
歯科医院では妊娠中でも行える治療やお口のクリーニングがありますので、気軽にご相談ください。